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ベランダ防水の選び方|シート防水、FRP防水、ウレタン防水の違い

「ベランダの床にひび割れがある」「表面の塗装が剥げてきた」
そんなサインを見つけた時、放置するのは非常に危険です。ベランダの防水機能が失われると、階下への雨漏りや、建物の構造体である木材・鉄筋の腐食を招き、修繕費用が跳ね上がってしまうからです。

しかし、いざ防水工事をしようと調べると、「FRP防水」「ウレタン防水」「シート防水」といった専門用語が並び、どれが自分の家に最適なのか判断に迷う方も多いでしょう。

実は、防水工法にはそれぞれ「向き・不向き」があり、ベランダの広さや現在の状態、そして今後のメンテナンス計画によって選ぶべき種類が変わります。

本記事では、主要な防水工法の特徴を徹底比較し、後悔しない選び方の基準をわかりやすく解説します。

 

1⃣ FRP防水:強度とスピードを兼ね備えた現代の主流

現在、新築の戸建て住宅で最も採用されているのが「FRP防水」です。FRPとは「Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)」の略で、ガラス繊維などの補強材を加えたプラスチック層を作る工法です。

FRP防水の特徴

    • 圧倒的な強度: 非常に硬く丈夫なため、人が歩いたり、重い植木鉢を置いたりしても傷がつきにくいのが最大の特徴です。
    • 驚きの速乾性: 塗料の硬化が非常に早く、1日〜2日という短期間で工事が完了します。
    • 軽量: 建物への負担が少なく、木造住宅に適しています。

 

メリットとデメリット

    • メリット: 耐久性が高く、表面が滑らかで見た目が美しい。
    • デメリット: 素材が硬いため、地震などで建物が大きく動くと「ひび割れ」しやすい。また、広すぎる面積(広い屋上など)には不向きです。

 

比較用データ:FRP防水

項目 内容
耐用年数 10年〜12年
費用相場 5,000円〜8,000円 /㎡
適した場所 一般的な戸建てのベランダ

 

2⃣ ウレタン防水:どんな形にも対応できる万能選手

「ウレタン防水」は、液状のウレタン樹脂を何層にも塗り重ねて、つなぎ目のない一体感のある防水層を作る工法です。どんな複雑な形状のベランダにも対応できるため、リフォーム市場では最もポピュラーな選択肢となっています。

ウレタン防水の特徴

  • シームレス(つなぎ目がない): 液体を塗って固めるため、複雑な角や柱があるベランダでも、隙間なく完璧に密着します。
  • 柔軟性が高い: ゴムのような弾力があるため、建物の揺れや動きに対しても柔軟に追従し、ひび割れが起きにくいのが強みです。
  • 重ね塗りが可能: 次回のメンテナンス時に、既存の防水層を撤去せずに上から塗り重ねることができるため、将来のコストを抑えられます。

 

メリットとデメリット

  • メリット: 工法の中では比較的安価。形を選ばず、どんな場所にも施工できる。
  • デメリット: 手作業で塗り広げるため、職人の技術によって厚みにムラが出やすい。また、完全に乾燥するまで時間がかかるため、工期が長くなりがち(3〜5日程度)。

 

比較用データ:ウレタン防水

項目 内容
耐用年数 10年〜12年
費用相場 4,500円〜7,000円 /㎡
適した場所 複雑な形状のベランダ、広い屋上

 

 

3⃣ シート防水:広い面積を効率よく守る

「シート防水」は、塩化ビニールや合成ゴムで作られた防水シートを、専用の接着剤や器具で下地に固定していく工法です。液体を塗って固める「FRP」や「ウレタン」とは異なり、工場で作られた「完成した防水層」を敷き詰めていきます。

シート防水の特徴

    • 品質の安定性: 工場で均一な厚みに製造されたシートを使用するため、職人の腕による「塗りのムラ」が起こりません。
    • 工期の短縮: 乾かす待ち時間がほとんどないため、広い面積でもスピーディーに施工を完了できます。
    • 耐候性が高い: 特に塩化ビニールシートは紫外線や熱に強く、長期間メンテナンスフリーに近い状態を保てる場合があります。

 

メリットとデメリット

  • メリット: 広い屋上やバルコニーを一度にカバーできる。既存の防水層の上から施工する「通気緩衝工法」が得意で、下地の湿気を逃がしやすい。
  • デメリット: シートを繋ぎ合わせるため、複雑な形のベランダには不向き。また、シートの「継ぎ目(ラップ部分)」から剥がれや漏水が起きるリスクがある。

 

比較用データ:シート防水

項目 内容
耐用年数 12年〜15年
費用相場 4,000円〜7,500円 /㎡
適した場所 広いバルコニー、平坦な屋上

 

 

4⃣ ひと目でわかる!3大防水工法の比較表と選び方の基準

どの工法も一長一短があるため、「どれが一番優れているか」ではなく「自分の家のベランダにどれが最適か」で選ぶのが正解です。主要3工法を徹底比較しました。

【完全比較表】FRP vs ウレタン vs シート

比較項目 FRP防水 ウレタン防水 シート防水
主な素材 ガラス繊維+樹脂 液体状の樹脂 塩ビ・ゴムシート
仕上がり 硬くて丈夫 弾力があり柔らかい 均一で平坦
工期の目安 短い(1〜2日) 長い(3〜5日) 普通(2〜3日)
複雑な形状対応 最も得意 不向き 不向き
歩行頻度 非常に強い 普通 種類による
費用感 やや高い リーズナブル 普通

 

失敗しないための「選び方の基準」

あなたの状況に合わせて、以下の基準で選んでみてください。

「とにかく早く終わらせたい、ベランダを歩く頻度が高い」なら…
👉 FRP防水がおすすめ。洗濯物干しで毎日出入りしたり、重いプランターを置いたりする家庭に最適です。「形が複雑、またはできるだけ安く済ませたい」なら…
👉 ウレタン防水がおすすめ。排水溝周りが入り組んでいたり、柱があったりする場合でも隙間なく施工できます。「屋上のように面積が広く、平らな場所」なら…
👉 シート防水がおすすめ。つなぎ目のない広範囲な防水に向いており、品質のバラつきが最も少ない工法です。

 

5⃣ 寿命を延ばす鍵!トップコートの塗り替えとメンテナンス

どの防水工法を選んでも、避けて通れないのが「メンテナンス」です。実は、防水層(FRPやウレタンなど)の上には、それを紫外線から守るための「トップコート」という保護塗料が塗られています。

トップコートの役割は「日焼け止め」

防水層自体は日光に弱く、直接さらされるとすぐに硬化してひび割れてしまいます。トップコートはいわば「日焼け止め」の役割を果たしており、これ自体に防水性はありませんが、防水層の寿命を左右する極めて重要な存在です。

  • メンテナンス周期: 5年〜7年に一度
  • サイン: 表面のツヤがなくなる、色あせ、細かいひび割れ、苔の発生

 

放置するとどうなる?

トップコートが剥げた状態で放置すると、防水層が直接ダメージを受け、本来10年以上持つはずの防水機能が5年前後でダメになってしまうこともあります。

プロのアドバイス:
防水層のやり直し(改修工事)には数十万円かかりますが、トップコートの塗り替えだけであれば、その数分の一の費用で済みます。こまめな「塗り替え」が、結果的に最大の節約になります。

 

日常でできるセルフチェック項目

以下の症状が出ていたら、早めに専門業者に相談しましょう。

[ ] 色あせ・粉吹き: 表面を触ると手が白くなる

[ ] ひび割れ: 表面に細かな亀裂が入っている

[ ] 浮き・剥がれ: 防水層がプカプカと浮いている

[ ] 水たまり: 雨が止んだ後もいつまでも水が引かない(勾配の不良)

まとめ:状況に合わせた「最適解」で雨漏りを防ぐ

ベランダ防水は、建物の寿命を左右する非常に重要なメンテナンスです。3つの工法にはそれぞれ明確な特徴があるため、自分の家の状況に合わせて選ぶことが成功の近道です。

  • FRP防水: 毎日ベランダに出る、強度重視の戸建て住宅に。
  • ウレタン防水: 複雑な形状のベランダや、コストを抑えたいリフォームに。
  • シート防水: 面積の広いバルコニーや、平坦な屋上に。

どの工法を選んだとしても、5〜7年ごとのトップコート塗り替えを欠かさないことが、将来的な大規模修繕のコストを抑える最大のポイントです。まずは現在のベランダの状態をチェックし、最適な工法を提案してくれる信頼できる専門業者に相談してみましょう。

 

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